児童発達支援・放課後等デイサービスの人員配置
~ 人員配置を徹底解説!わかりやすく紹介~
児童発達支援や放課後等デイサービスを開設したいけれど、
「人員基準」「設備基準」「運営基準」って一体何?
そんな疑問をお持ちの皆様へ、この記事ではそれぞれの基準の基本的な内容と、
開設準備において基準を満たすためのコツをわかりやすくご紹介します。
児童発達支援・放課後等デイサービス開設の基礎知識である
人員・設備・運営基準をクリアし一緒に準備を進めていきましょう!
目次
なぜ人員配置基準は必要なのか?
発達障害など、特別な支援を必要とする子どもたちが安心して過ごせる放課後等デイサービス。
質の高い支援を提供するためには、適切な人員配置が欠かせません。
人員配置基準は、子どもたち一人ひとりに寄り添い、きめ細やかな支援を提供するための重要な基盤となります。
また、人員配置は、自治体からの報酬算定にも深く関わっています。
基準を満たすことで加算を受け、満たさない場合は減算されることも。
安定した経営のためにも、人員配置基準をしっかりと理解しておく必要があります。
サービスの種類と人員配置基準
児童発達支援・放課後等デイサービスには、大きく分けて2つの種類があります。
- 一般的な児童発達支援・放課後等デイサービス
- 重症心身障害児型の児童発達支援・放課後等デイサービス
それぞれ必要な人員や資格が異なるため、詳しく見ていきましょう。。
一般的な児童発達支援・放課後等デイサービス
放課後等デイサービスを開設するにあたって、まず把握しておきたいのが人員配置の基本です。
一般的な放課後等デイサービスでは、医療ケアを行わないケースが多く、主に以下の3つの職種が必須となります。
- 管理者
- 児童発達支援管理責任者
- 児童指導員または保育士
さらに、医療ケアや機能訓練を提供する場合には、看護師や専門の職員を配置する必要があります。
それぞれの役割と必要な人員数について、詳しく見ていきましょう。
管理者
管理者の配置基準は以下のとおりです。
- 1名以上(常勤・非常勤は問わない)
- 特定の資格は不要ですが、事業全体の管理を担う重要な役割です。
児童発達支援管理責任者
児童発達管理責任者の配置基準は以下のとおりです。
- 1名以上(常勤・専任)
- 2つの研修を修了する必要があります。支援計画の作成や職員への指導など、専門的な知識が求められます。
- ポイント: "みなし児童発達支援管理責任者"は配置基準を満たせません。資格取得と更新にも注意が必要です。
児童発達支援管理責任者は、子どもたちへの支援計画を作成し、他の職員への指導を行うなど、
サービスの質を左右する重要な役割を担います。そのため、専門的な知識と経験が求められ、
自治体の実施する研修を受講し、資格を取得する必要があります。
資格取得までの道のりは、以下の2つのステップに分かれています。
- 基礎研修: 基礎的な知識とスキルを習得します。
- 実践研修: 実際の現場で経験を積み、実践的なスキルを磨きます。
基礎研修を修了した段階で、「みなし児童発達支援管理責任者」として働くことができますが、注意が必要です。
- 配置基準: みなし児童発達支援管理責任者は、正式な児童発達支援管理責任者としてカウントされません。つまり、人員配置基準を満たすためには、実践研修を修了し、正式な資格を取得した児童発達支援管理責任者が少なくとも1名必要となります。
- 資格更新: 児童発達支援管理責任者の資格は、5年ごとに更新研修を受講する必要があります。うっかり更新を忘れてしまうと、人員配置基準を満たせなくなる可能性があります。更新時期は事業全体でしっかりと把握し、余裕を持って手続きを進めましょう。
児童発達支援管理責任者は、子どもたち一人ひとりの成長を支える、まさに「支援の要」と言える存在です。責任者としての自覚を持ち、常に専門性を高める努力を続けましょう。そして、事業全体で協力し、質の高い支援を提供できる体制を整えていきましょう。
児童指導員または保育士
児童指導員または保育士の配置基準は以下のとおりです。
- 2名以上(利用定員10名に対して)
- サービス提供時間中は常に配置が必要
- 児童指導員は任用資格、保育士は国家資格が必要です。
- ポイント: 利用定員が増えるごとに必要な人数も増加します。
看護師
看護師の配置基準は以下のとおりです。
- 医療的ケアが必要な児童がいる場合のみ配置
- 常勤である必要はありません。
- 看護師、准看護師、保健師、助産師のいずれかの資格が必要です。
一般的な児童発達支援・放課後等デイサービスでは医療的ケアを必要とする利用者がいない場合には、看護師の配置は必要ありません。
機能訓練担当職員
機能訓練担当職員の配置基準は以下のとおりです。
- 機能訓練が必要な児童がいる場合のみ
- 配置常勤である必要はありません。
- 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、または心理指導担当職員の資格が必要です。
一般的な児童発達支援・放課後等デイサービスでは、看護師と同じく、機能訓練を行う場合にのみ配置していればよいため常任要件はありません。
重症心身障害児型の児童発達支援・放課後等デイサービス
心身に重い障害を持つ利用者の受け入れを行う、重症心身障害児型の児童発達支援・放課後等デイサービスでは配置基準が多少異なります。
管理者・児童発達支援管理責任者
管理者・児童発達支援管理責任者の配置基準に関しては、一般的な放課後等デイサービスと同様です。
- 1名以上(常勤・非常勤は問わない)
- 特定の資格は不要ですが、事業全体の管理を担う重要な役割です。
- 1名以上(常勤・専任)
- 2つの研修を修了する必要があります。支援計画の作成や職員への指導など、専門的な知識が求められます。
- ポイント: "みなし児童発達支援管理責任者"は配置基準を満たせません。資格取得と更新にも注意が必要です。
児童指導員または保育士
重症心身障害児型の児童発達支援・放課後等デイサービスにおける児童指導員または保育士の配置基準は以下のとおりです。
- 1名以上(利用定員5名に対して)
- サービス提供時間中は常に配置が必要
- 児童指導員は任用資格、保育士は国家資格が必要です。
- ポイント: 利用定員が増えるごとに必要な人数も増加します。
看護師
重症心身障害児型の児童発達支援・放課後等デイサービスにおける看護師の配置基準は以下のとおりです。
- 1名以上(利用定員5名に対して)
- サービス提供時間中は常に配置が必要
- 看護師、准看護師、保健師、助産師のいずれかの資格が必要です。
医療的ケアを必要とするケースが多い重症心身障害児型の児童発達支援・放課後等デイサービスでは看護師の配置が必要です。
機能訓練担当職員
重症心身障害児型の児童発達支援・放課後等デイサービスにおける機能訓練担当職員の配置基準は以下のとおりです。
- 機能訓練が必要な児童がいる場合のみ
- 配置常勤である必要はありません。
- 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、または心理指導担当職員の資格が必要です。
定員数に応じた配置基準
利用定員が増えるほど、必要な児童指導員または保育士の数も増加します。
以下の表を参考にしてください。
利用定員 | 必要な児童指導員または保育士の数 |
1名以上10名未満 | 2名以上(児童指導員および保育士計2名で配置基準を満たすことができる) |
11名以上15名未満 | 3名以上(児童指導員および保育士計2名+看護師や看護師や機能訓練担当職員の1名でも配置基準を満たすことができる) |
16名以上20名未満 | 4名以上(児童指導員および保育士計2名+看護師や看護師や機能訓練担当職員の2名でも配置基準を満たすことができる) |
21名以上25名未満 | 5名以上(児童指導員および保育士計3名+看護師や看護師や機能訓練担当職員の2名でも配置基準を満たすことができる) |
ポイント
看護師や機能訓練担当職員は、児童指導員との兼任が可能です。
ただし、兼任する場合でも、児童指導員または保育士の数が全体の半数以上である必要があります。
ただし、看護師や機能訓練担当職員を児童指導員として配置している場合、
報酬換算の際に児童指導員配置等加配加算と特別支援加算を重複して算定できないため注意してください。
「営業時間を通じて配置」とは?
「営業時間を通じて配置」とは、サービス提供時間帯を通じて、必要な職員数を常に満たしている必要があるということです。
ポイント1: 営業時間とサービス提供時間の違い
営業時間: 放課後等デイサービスが開所している時間全体を指します。
サービス提供時間: 実際に子どもたちがサービスを利用している時間を指します。
ポイント2: 常勤と非常勤の組み合わせ
基準人員のうち少なくとも1名は常勤である必要があります。
2人目以降は非常勤でも構いませんが、サービス提供時間帯は常に基準人数を満たすように注意が必要です。
具体的な人員配置の例
例1:2名とも常勤の場合
- 営業時間:9時〜18時
- サービス提供時間:13時〜17時
- 配置人員:Aさん(常勤)、Bさん(常勤)
時間帯 | Aさん | Bさん | 配置人数 | 基準 |
9時〜13時 | 勤務 | 勤務 | 2名 | クリア |
13時〜17時 | 勤務 | 勤務 | 2名 | クリア |
17時〜18時 | 勤務 | 勤務 | 2名 | クリア |
解説: 2名とも常勤なので、営業時間を通じて常に2名以上配置されており、基準を満たしています。
例2:1名は常勤、もう1名は複数の非常勤職員で対応する場合
- 営業時間:9時〜18時サービス
- 提供時間:13時〜17時
- 配置人員:Aさん(常勤)、Bさん(非常勤、13時〜15時)、Cさん(非常勤、15時〜17時)
時間帯 | Aさん | Bさん | Cさん | 配置人数 | 基準 |
9時〜13時 | 勤務 | 1名 | クリア | ||
13時〜15時 | 勤務 | 勤務 | 2名 | クリア | |
15時〜17時 | 勤務 | 勤務 | 2名 | クリア | |
17時〜18時 | 勤務 | 1名 | クリア |
解説: サービス提供時間帯は常にAさんとBさんまたはCさんの2名が配置されているため、基準を満たしています。
例3:非常勤職員が入れ替わる場合でも、サービス提供時間帯は常に基準人数を満たしている場合
- 営業時間:9時〜18時
- サービス提供時間:14時〜18時
- 配置人員:Aさん(常勤)、Bさん(非常勤、13時〜16時)、Cさん(非常勤、15時〜18時)
時間帯 | Aさん | Bさん | Cさん | 配置人数 | 基準 |
9時〜13時 | 勤務 | 1名 | クリア | ||
13時〜15時 | 勤務 | 勤務 | 2名 | クリア | |
15時〜17時 | 勤務 | 勤務 | 勤務 | 3名 | クリア |
17時〜18時 | 勤務 | 勤務 | 2名 | クリア |
解説: サービス提供時間帯は常に2名以上配置されており、基準を満たしています。15時〜16時は3名配置されていますが、あくまでサービス提供時間帯に基準人数を満たしていれば問題ありません。
配置基準を満たせない場合の対処
急な退職や病気などで、人員配置基準を満たせなくなる場合もあるかもしれません。
- 人員配置欠如減算: 基準を満たせない場合は、報酬が減算されます。
- 指定取り消し処分: 長期的に基準を満たせない場合は、最悪の場合、事業の継続が難しくなることも。
- ポイント: 事前に対策を立て、人員不足に陥らないようにすることが大切です。余裕を持った人員配置を心がけましょう。
厚生労働省:児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員
まとめ
適切な人員配置で、子どもたちの未来を支えよう
人員配置基準は、子どもたちへの質の高い支援を提供し、事業を安定して運営していくための重要な要素です。
人員確保や配置に課題を感じている方は、療育業界専門の求人サービスなどを活用してみるのも良いかもしれません。
子どもたちの笑顔と成長のために、適切な人員配置を目指しましょう。
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