児童指導員とは?
~ 業務内容・求人・児童指導員任用資格について~

児童指導員とは、子どもと直接関わりをもち、心身の健やかな成長とその自立を支援する職種です。

児童発達支援(児発)や放課後等デイサービス(放デイ)では、
児童発達支援管理責任者の指示のもと個別支援計画や事業所のカリキュラムに基づいて障害のある子どもの支援を行います。
他の事業所や教育機関をはじめとする多職種連携や親子関係を支援する観点から、
保護者や祖父母・兄弟などへ支援の幅を広げる場面もみられます。

例えば、発達障害や知的障害などの障がいがあり、児童発達支援(児発)や放課後等デイサービス(放デイ)に
通所する子どもたちに対しては、将来的な自立や社会参加のために必要な療育*をおこないます。
虐待やネグレクトなどによって児童養護施設に入所し、保護者と離れて暮らさなければならない子どもたちに対しては、
その代わりとなって生活指導をおこないます。

子どもにとって身近な存在となるため、個々の気持ちに寄り添いながらも平等・公平な対応が求められるでしょう。

目次

  1. 児童指導員の働く場所
  2. 児童福祉施設における児童指導員の配置基準
  3. 児童指導員の仕事内容
  4. 児童指導員になるには?
  5. 児童指導員の平均給与等の待遇と公立施設での注意点
  6. まとめ

児童指導員の働く場所

児童指導員は、どのような場所で働いているのでしょうか?
勤務先について事業ごとの特徴を紹介します。

児童発達支援

小学校就学前の未就学の障がいのある子どもたちに対し、年齢に応じた遊びを通じて表現力や感性を養います。
また、日常生活における基本的な動作の指導や、知識・技能の習得、集団生活への適応訓練などをおこない、
子どもたちのできることを広げる支援を行います。
重い障がいのある子どもに対して居宅訪問型児童発達支援を行う場合は、満18歳までが対象です。

子どもの発達状況や特性に応じて、音楽療法や運動療法を取り入れるなどの取り組みを行っている事業所などもあり、
事業所の方針や理念によってさまざまな支援が提供されています。

放課後等デイサービス

放課後や学校休業日に、小学校〜高校に就学中の障がいを持つ子どもに対して、
活する技術・技能の向上や地域交流の機会提供などの支援を行います。
また、生活能力向上のための訓練や創作活動、作業活動、地域交流などをおこないます。
重い障害のある子どもに対して居宅訪問型児童発達支援を行う場合は、満18歳までが対象です。

保護者や関係機関との連携を図りながら、成人期の生活を念頭に置いた段階的かつ長期的な支援を進めるなどの事例もみられます。

障がい児入所施設

家庭での養育が困難な、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)などの障がいを持つ子ども(0歳~18歳)が
入所する施設で、食事、入浴、排泄などの介助に加え、日常生活の指導や知識・技能の習得などを支援します。
継続的支援が必要と判断した場合には、満20歳に達するまで利用期間の延長も可能です。
知的障害や聴力・視力に障がいのある子どもが主に入所する福祉型障がい児入所施設と、
医療的ケアが必要な子どもが入所する医療型障がい児入所施設に分かれています。

保護者による養育が難しいために入所するケースが全体の約3割ですが、虐待からの保護を目的とした児童相談所経由での
措置入所も一定数存在するのが特徴です。1日単位の契約で利用できるショートステイを提供する施設もあります。

乳児院・児童養護施設

虐待や死別などの様々な理由で保護者と暮らすことのできない子どもたちで、保護・養育が必要な子どもが入所する施設です。
乳児院は0歳児・1歳児が、児童養護施設は2歳から18歳までの子どもが入所対象です。
日常生活を共に送るなかで、基本的な生活習慣や学習習慣を身につけられるよう保護者の代わりとなって指導します。
さらに、家庭に戻るための環境整備や、進学・就職に向けた支援もおこないます。
家庭に近い環境で、生活習慣の確立や学習指導、自立への手助けを行います。

子どもと寝起きを共にしながら成長に合わせた支援を行うため、保護者代わりとしての一面もみられます。
入所の経緯を踏まえて、信頼関係を基盤とした心理的なケアが重要視される傾向です。

児童福祉施設における児童指導員の配置基準

児童福祉施設での児童指導員の配置については、各施設の人員基準によって次の3通りに分けられています。

児童福祉施設における児童指導員の配置基準

基準該当する施設
児童指導員1名以上の配置が必須の施設■医療型児童発達支援
■医療型児童発達支援センター
児童指導員または保育士の配置が必須の施設■児童発達支援事業所
■放課後等デイサービス事業所
■児童養護施設
■障がい児入所施設(福祉型・医療型)
■福祉型児童発達支援センター
■児童心理治療施設
児童指導員の配置が必須ではない施設■保育所等訪問支援事業所
■児童家庭支援センター
■乳児院

なお、児童指導員として5年間働くと、講習を受けることで児童発達支援管理責任者(児発管)の資格を取得できます。

児童指導員の仕事内容

児童指導員の仕事は日常生活の指導をはじめ、集団活動へ円滑に参加することへの支援など多岐にわたります。
事業所の運営方針によって、個別支援計画や集団活動などにおける特色あるプログラムが組まれる事例も多いです。

児童発達支援管理責任者やほかの専門職と連携して仕事を進める機会が多いことから、
協調性とあわせて積極的に意見・提案を行う姿勢も求められます。主な仕事内容について、具体的に紹介します。

日常生活の指導

子どもたちが日々の遊びや学びを通して、社会生活にスムーズに適応できるよう、多角的な支援が求められます。
その成長段階を的確に捉え、適切な助言や指導を行うことが、健全な発達を促す上で不可欠です。

児童発達支援などの施設では、保護者や関係機関と密に連携し、個々の障がいや特性に応じた目標設定を重視します。
一方で、児童養護施設のような場所では、起床から食事、入浴、就寝まで身の回りの世話を通じた習慣形成に重点を置いています。

どちらの施設においても、子どもの自尊心と主体性を尊重し丁寧なコミュニケーションを心がけることが、
最善の利益を考慮した支援・継続的な支援には必要不可欠で大切です。

個別支援

個々の子どもの課題に合わせ、短期・長期の目標を設定し、個別の支援計画を進めていきます。
例えば、学校の宿題や家庭学習のサポートを通じて、学習習慣の定着を促したり、
日々の活動の中で感情や行動のコントロール能力を育成したりします。
障害を持つ子どもには、その障害の種類に応じた支援を行い、残された感覚の活用や認知機能の発達を支援します。

児童養護施設では、家庭的な養護を促進するために、集団生活の中でも個人のスペースや所有物を確保する、
すなわち個別化への努力が続けられています。
また、施設退所後のアフターケアも、子どもたちの自立を支える上で欠かせない要素です。

集団生活への適応支援

子どもたちが自立し、社会性を身につけるために、日々の集会や食事の時間を活用し、集団生活のルールを教えます。
また、子どもたちの個性や才能を伸ばすため、趣味や特技に応じた文化・スポーツ活動を少人数グループで実施することもあります。
特に、障がいを持つ子どもたちへの支援では、それぞれの特性を考慮したプログラムが重要であり、
障害の種類や発達段階に応じたグループ分けも有効です。

児童指導員は、行事の企画・運営にも深く関わります。異なる年齢や背景を持つ子どもたちが交流することで、協調性を育み、人間関係の構築や問題解決能力の向上を促します。地域社会との連携を深めることで、子どもたちの社会参加も促進できるでしょう。

さらに、学校や保育施設との連携も重要であり、児童発達支援管理責任者や管理者と定期的に情報交換を行い、
各機関がそれぞれの役割を分担しながら、効果的な支援を目指します。

子どもや保護者からの相談対応

子どもたちと密接な関係を築いている児童指導員は、彼らの日常生活や将来についての相談を受ける機会が多くあります。
複数の子どもたちと関わるため、公平性を保ちつつ、一人ひとりの気持ちに寄り添うことが求められます。
特に、児童発達支援などの未就学児を対象とする場合には、子どもたちの思いを尊重し、
言葉や身振りで伝えたいことを引き出す工夫が重要です。

保護者からの相談に対しては、その心情を丁寧に受け止め、専門的なアドバイスを提供する姿勢が、
悩みを一人で抱え込ませないために、また子どもとの関係改善にも繋がります。障がいのある子どもを支援する施設では、
障がいの受容を促しながら、保護者の子育て意欲を高めるよう努めます。
乳児院や児童養護施設においては、施設長や児童相談所と連携し、親子関係の再構築を支援します。

児童指導員になるには?

児童指導員は任用資格であるため、児童指導員が配置されている事業所に所属している間のみ「児童指導員」と称することが可能です。

任用資格を得るためには、一定の学歴や実務経験が求められますが、児童指導員独自の研修制度や資格試験は存在しません。
そのため、児童福祉分野での経験がない方でも、事業所で2年以上、かつ360日以上の実務経験を積むことで、
児童指導員に任命される機会があります(具体的な要件は後述)。

児童指導員に任命された後は、事業所内の研修や外部の講習会、書籍などを通じて、児童支援に関する知識や技術を深めていきます。

児童指導員任用資格の取得方法や、学歴・資格別の条件について、具体的に確認してみましょう。

児童指導員任用資格とは

児童指導員任用資格とは、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第43条によって定められた、学歴や実務要件などを満たす者に与えられる資格のことです。

大学によっては児童指導員任用資格証明書を発行している場合もありますが、一般的には、学校の卒業証明書や履修科目証明書、勤務先での実務経験証明書などを組み合わせて、児童指導員任用資格を有することを証明します。

所属する事業所が都道府県などに提出する「従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表」の資格欄において、児童指導員として指定されている期間のみ、資格の効力が発生します。

児童指導員任用資格を得る要件

児童指導員任用資格を取得するために必要な学歴や実務経験について、ここで確認しておきましょう。
公立施設への就職を希望される場合は、児童指導員任用資格に加えて、自治体が実施する採用試験に合格する必要があります。

大学・大学院・養成校を卒業

次の条件に該当する方は、実務経験がなくても児童指導員任用資格を得られます。

(1)都道府県知事が指定する養成施設を卒業された方
(2)大学院において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学の修士号または博士号を取得された方
(3)四年制大学において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学を専攻する学科を卒業された方
(4)海外の大学において、社会福祉学、心理学、教育学、または社会学を専攻する学科、もしくはこれらに相当する課程を修了された方

四年制大学で社会福祉学等の単位を優秀な成績で修得し、大学院の入学許可を得た場合、大学院への入学をもって卒業とみなされます。近年、学部・学科の区分が複雑化しているため、児童指導員任用資格の取得可否については、事業所を管轄する自治体への確認が推奨されます。

2019年4月の法令改正により、短期大学卒業者は、卒業年度にかかわらず大学卒業者として扱われなくなったため、注意が必要です。

所属先で児童指導員に任命されるためには、卒業証明書および該当学科の履修証明書が必要です。

実務を経験

高校や短期大学を卒業された方、または高卒認定試験に合格された方は児童福祉法に基づく事業で2年以上、
かつ360日以上の実務経験を積むことで、児童指導員任用資格を取得できます。

高校を卒業していない場合でも、児童福祉法に基づく事業で3年以上、かつ540日以上の実務経験を積み、
都道府県知事に適当と認められれば、同様に資格を得ることが可能です。

複数の事業所での実務経験を通算して期間を満たす場合、それぞれの事業所が発行する実務経験証明書が必要となります。
高校や短期大学を卒業された方は、卒業証明書も併せて準備する必要があります。

実務経験の対象となる児童福祉事業について説明します。

児童福祉事業とは、社会福祉法に定められた事業のうち、児童福祉法に基づいて運営される事業を指します。
具体的には、障がいのある子どもたちへの生活指導・支援や相談支援業務に携わった期間が、実務経験の対象となります。

対象となる具体的な事業は以下の通りです。

第一種社会福祉事業
乳児院、児童養護施設、障がい児入所施設など、入所を前提とした事業です。利用者の保護の必要性が高く、主に行政または社会福祉法人が運営しています。
第二種社会福祉事業
児童発達支援事業所、放課後等デイサービス事業所などの障がい児通所支援事業、地域子育て支援事業、保育所・幼保連携型認定こども園などが該当します。株式会社、合同会社、NPO法人など、多様な事業主体によって運営されています。

教員免許保有者

小学校、中学校、高等学校の教諭免許状を有する方も、実務経験なしで児童指導員任用資格を得られます。
小学校・中学校の一貫教育を行う義務教育学校や、中学校・高等学校の一貫教育を行う中等教育学校の教諭免許状を有する方も同様です。

2019年4月からは、幼稚園教諭免許状を有する方も対象となりました。
児童指導員として任命を受ける際には、教育職員免許状(教員免許)の写しを所属先に提出します。

国家資格保有者

社会福祉士または精神保健福祉士の国家試験に合格し、資格登録が完了している方も、
実務経験なしで児童指導員任用資格を取得できます。資格証の写しが必要となるため、資格登録が未完了の場合は、
登録完了後に児童指導員として任命されることになります。

これらの国家試験では、相談援助や社会理論に関する分野が試験科目に含まれており、
国家試験への合格によってこれらの専門知識を有することが証明されるため、実務経験は不要とされています。

児童指導員の平均給与等と公立施設での注意点

児童指導員の給与等

児童指導員の給与

児童指導員の平均給与額は次のとおりです。平均給与額には基本給や手当のほか、
年間で支給される一時金(ボーナスなど)の半額が含まれます。
なお、残業手当など月によって支給額が変動する手当は集計対象外のため、
実際に支払われる賃金はこれより多くなる可能性があります。

【全国平均】児童指導員の時給・月給・年収の相場
2024年12月時点の全国の児童指導員の時給・月給・年収の相場は次のとおりとなりました。

下限平均上限平均総平均
パート・アルバイトの時給1,159円1,358円1,229円
正社員の月給22万102円27万8,829円24万1,652円
正社員の年収308万1,428円390万3,606円338万3,128円

*年収は「月給の総平均 × 14ヶ月(ボーナスは月給の2ヶ月分)」で試算

児童指導員の年齢・勤続年数

平均年齢平均勤続年数
常勤37.6歳5.5年
非常勤46.9歳3.5年

参考:平成30年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査の調査結果(詳細)|厚生労働省

公立施設で児童指導員として勤務する場合の注意点

公立施設で児童指導員として勤務する場合、公務員試験への合格が必要です。
受験時点で児童指導員任用資格が必須かどうかは、自治体によって異なります。

例えば、東京都文京区の職員採用試験では、一般教養・専門知識に関する筆記試験と課題作文による第一次選考が行われます。
第一次選考合格者には面接試験が実施され、最終的な採用者が決定されます。

受験可能な年齢や試験項目は各自治体によって異なるため、受験前には必ず募集要項を詳細に確認するようにしてください。

まとめ

児童指導員は、児童発達支援管理責任者や他の専門職、関係機関と連携し、子どもたちの健全な成長と自立を支援する仕事です。
児童指導員任用資格を得るルートは、福祉・教育系の四年制大学卒業から、児童福祉施設での実務経験まで多岐にわたります。

障がいのある子どもたちへの質の高い支援を提供するため、2017年からは放課後等デイサービス事業所にも
児童指導員の配置が求められるようになり、活躍の場は広がっています。
近年では、家族支援の一環として、保護者や兄弟姉妹、祖父母との関係性を支援するケースも見られるようになりました。
中立かつ客観的な立場を保ちつつ、障がいの特性や子ども、家族の心情に寄り添った対応が求められます。

児童指導員になるための道筋について、理解は深まったでしょうか。
児童指導員の仕事に興味があっても、以下のような疑問や不安を感じていませんか?

  • 自分の経験やキャリアが児童指導員の要件を満たすのかどうか
  • 児童指導員になった場合の給与はどれくらいなのか
  • 児童指導員の勤務形態や労働条件について知りたい

そんな方々のために、Triptych Laughではキャリアアドバイザーの相談サービスを提供しています。
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